14億円〜15億円の税金を投入し保有土地を処分
公有地取得事業の処分計画
上の表をご覧ください。これは、土地開発公社の公有地取得事業と土地造成事業における保有土地の処分計画を表したものです。
公有地取得事業の簿価は、平成22年度末現在で4億530万円です。この用地は、簿価どおりかつらぎ町が土地開発公社から買い取る必要があります。買い取り年度が遅れると、利息が加算されるので簿価が上がります。計画期間の28年度までに6件の用地を買い取る計画で、一般会計予算の中から町民の税金を当てて買い取ります。計画以後に残る用地は、日進化学に貸し付けている約3600万円のものだけになります。
かつらぎ町が用地を買い上げても事業がほとんどおこせないところに特徴があります。
土地造成事業の処分計画
土地造成事業の保有土地の22年度末の簿価は、6件、1億2650万円です。本来、土地造成事業は、土地開発公社が販売をおこなって利益を生み出そうとするものですが、販売予定なのは、柏木住宅用地と西渋田企業団地、柏木企業団地の3件です。このうち、計画年度中に販売するのは、柏木住宅用地だけですが、この販売で売却損が生まれる可能性があります。
柏木企業団地を借りていた「はちくまカントリー」は、今年の1月、経営破たんしました。この用地は、将来「はちくまカントリー」に買ってもらうことになっていたので、計画変更を余儀なくされます。
妙寺西住宅用地と妙寺住宅用地、名山用地については、販売できる条件にないのでかつらぎ町が買い取ります。これらの買い取りは、一般会計で予算を組んで行われます。
計画期間中、公有地取得事業と土地造成事業の買い取りにつぎ込まれる税金は毎年5600万円〜6800万円程度(6年間の合計額は3億8580万円)となります。
売却損で発生した損失10億円の補てんは、一般会計からの補助金で行われます。23年度から6年間、毎年6000万円、6年間で3億7400万円の予算が組まれます(28年度のみ7400万円)。補助金の財源は、「まちづくり基金」の10億円です。
つぎ込まれる税金は14億から15億円
このような対策を行うことによって、22年度末の5億3180万円の資産は、28年度末には1億3628万円となり、繰越損失は、10億800万円から約6億円となります。
28年度以降、新たな計画を立てることになりますが、基本的な方向は、現在の計画と同じだと思われます。
22年度末を起点にすると、すべての保有土地を処分するのに必要な資金は、14億円から15億円程度になるということです。
「バブル経済の崩壊後、企業進出の減少や国・地方の財政状況悪化に伴う町の事業繰り延べ・見直しにより、土地の保有期間が長期化」しているというかつらぎ町の説明は、事実にあいません。
本町の土地開発公社の問題は、財政再建を果たした溝端町政が、いくつかの事業の成功のあと極めて乱脈な土地の購入をおこない、引き起こした破たんだということです。
日本共産党町議団は、事業を推進していたその時から、実態を明らかにし事業の中止を強く求めてきました。ストップをかけなかった町当局、後押しした議会の責任は重いことを忘れてはならないと思います。
(おわり)