橋下氏の「従軍慰安婦に関する発言」に対する決議賛成討論

橋下氏の「従軍慰安婦に関する発言」に対する決議賛成討論


公党の代表である橋下氏の「従軍慰安婦に関する発言」に対する
謝罪と撤回を求める決議に対する賛成討論

この決議は、6月25日の本会議で3対8で否決されました。

2013年6月25日

公党の代表である橋下氏の「従軍慰安婦に関する発言」に対する謝罪と撤回を求める決議に対する賛成討論を行います。
橋下徹氏は、5月13日の午前中に行われた記者会見で、従軍慰安婦問題について「あれだけ銃弾の雨、銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを走っていくときにね、それはそんな猛者集団といいますか、精神的にも高ぶっている集団はやっぱりどこかでね、まあ休息じゃないけれどもそういうことをさせてあげようと思ったら慰安婦制度っていうものは必要なのはこれは誰だってわかるわけです」と発言しました。この発言は、国内外から強い批判が起こっていますが、氏は今日もなお、自己の発言を撤回せず、謝罪もしないという異常な態度をとっています。

この問題については、5月31日、ついに国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会から日本政府に対する勧告が出されました。この勧告は、「公人による事実の否定、否定の繰り返しによって、再び被害者に心的外傷を与える意図に反論すること」を求めています。勧告は、日本政府が拷問禁止条約の義務を果たしていないと懸念を表明し、「被害者への適切な救済・名誉回復をしていない」「拷問行為の加害者を追訴し裁判にかけていない」「国政および地方の高官や国会議員を含む政治家が、本件事実を公に否定し、被害者に新たな心的外傷を与え続けている」と問題点を指摘しています。その上で、勧告は、「即時かつ効果的な立法的・行政的措置をとるよう」求めています。国連の拷問禁止委員会は、非人道的な取り扱いを禁止する条約を守っているかどうかを審査・勧告する国際人権機関です。

この勧告は極めて重い意味をもつものだと確信します。
ところが、この勧告に対して日本政府は、6月18日、「勧告に従うことを義務づけるものではない」として、勧告には対応しないことを明らかにしました。これによって、日本政府は、橋下徹氏の発言を事実上擁護する立場に立ったと見られても仕方のない状態になりました。

従軍慰安婦問題は、橋下氏が認めているとおり、日本軍が深く関与した制度です。問題は、氏が戦争を肯定し、その上に立って「慰安婦制度っていうものは必要なのは誰だってわかる」と語ったところにあります。
従軍慰安婦になった多くの女性の中には、10代半ばから後半の女性がかなりいました。慰安婦になったプロセスの中に強制連行があったことは、軍の資料でも確認できます。最近、政府はこの資料の存在を認めました。慰安婦は逃げることも許されない性奴隷だったことも明らかであり、暴行、虐待、性病、妊娠、出産、中絶などひどい状態におかれていましたが、日本軍が敗北していく中で、殺害されたり置き去りにされたりしました。
軍関係の多くの資料は焼却されました。資料を消滅させたのは、軍があるところに慰安所を作り、女性を戦場で性的に利用してきたことが、人道に反する恥ずべき行為であることを日本軍が自覚していたからです。
日本軍ほど大規模に慰安所を持っていた軍隊はありません。軍隊が慰安所を持っていた例は、ヒットラードイツにありますが、日本の慰安所は、はるかにその規模を上回ります。

従軍慰安婦の問題を正確に深くとらえるとともに、この問題を考えることは、侵略戦争とは何かを考える上で極めて重要なものになっています。
橋下徹氏は、公党の共同代表であり、日本の国政に深い責任を負っています。氏の慰安婦問題の発言を擁護することは、日本を世界から孤立させるものになり、戦後の世界の出発点、戦後の原点を否定するものになります。
歴史的事実の否定によって元慰安婦の方々に心的外傷を与え、人権を著しく踏みにじるものであり、あの日本が引き起こした戦争を肯定し、慰安婦制度を必要だったというのは、全世界の女性の人権及び男性の人権をも踏みにじるものだといわなければなりません。

6月議会や6月会議が全国で開かれています。この問題で少なくない議会が、発言の撤回と謝罪を求める決議を上げつつあります。海外からは、大阪市の姉妹都市であるサンフランシスコ市が、発言の撤回を求める決議を上げました。
私たちかつらぎ町議会は、当時慰安婦が必要だった、誰だってわかるという立場に立つべきではありません。この決議案に反対する議員がいれば、その方は限りなく橋下氏と同じ立場に立つことになってしまいます。私は議会の名において明確に態度を表明することが必要になっていることを心から訴えるものです。
従軍慰安婦問題で、歴史の事実を次の世代に正しく伝えることは、私たち大人の責任です。「過去に目を閉ざすものは、未来に対して盲目になる」という言葉があります。全世界は、従軍慰安婦問題で歴史を修正することを許しません。この問題は、学術的には評価が定まっています。高校の教科書は、この成果の上に立って歴史を正しく伝えています。
私は、歴史を正しく伝えることが平和な日本をつくる重要な力になると確信します。子どもたちの教育のためにも、橋下氏には謝罪と撤回を求めるべきだということを最後に訴えて私の賛成討論といたします。

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