Browsed by
月別: 2011年1月

土地開発公社の借金問題(2)

土地開発公社の借金問題(2)


バブル経済のとき乱脈の頂点に
破たんは人災、政治の責任は重い
巨額の売却損が発生──町の基金で穴埋めへ

かつらぎ町は、土地開発公社の「経営健全化計画」を策定しています。この計画は、平成18年度から28年度の10年間で保有している土地を処分しながら借金を縮小するものです。22年12月には簿価の見直しにもとづいて当初の計画を改訂しています。この計画にもとづいて、土地開発公社の借金問題を見てみましょう。

バブル経済の時代に乱脈の極みに達する

かつらぎ町の土地開発公社の焦げ付いた用地問題は、萩原住宅用地と前嶋住宅用地の2件だけでした。
これ以外の問題のすべては、バブル経済の最中、溝端町長時代に起こりました。
公有地取得事業では、土地開発公社に用地を取得させながら、道路敷しか買い上げない、大規模な霊園用地を購入する、代替え用地を購入し焦げ付かせる、住宅開発のマスタープランの費用を不正に支出するなど異常な事業展開が行われました。
さらに溝端町長は、公社の独自事業である土地造成事業に乗り出しました。行った事業は企業誘致及び住宅開発で、用地取得と造成が行われました。
住宅用地では、柿の木団地、丁ノ町住宅用地で分譲に成功し、企業誘致では、大谷、西渋田、移、名山など連続して誘致を成功させました。
これらの成功が、土地を次々に購入し破たんを引き起こす引き金となりました。
最も規模が大きかったのは「妙寺北部企業団地」です。この企業団地には、椎茸菌床栽培施設、あんぽ柿生産施設の建設が行われるとともに、造成後、「アメニティかつらぎ」、JA紀北川上農協への売却が行われました。その結果、この関係だけで9億2540万円の売却損が発生しました。

繰越損失10億円──税金投入による解決へ

上の表は、19年度から22年度の保有土地の処分状況を公有地取得事業と土地造成事業に分けて表したものです。ここに妙寺北部企業団地(A区画)の売却が含まれています。
公有地取得事業で売却損が発生しないのは、土地の購入価格に金融機関の利息をプラスして町が買い戻さなければならないからです。これは、税金投入による土地の買い戻しですが、ほとんど事業化できないところに特徴があります。
この4年間で売却損の合計は9億7110万円にのぼりました。平成22年12月の簿価の見直しで約2億1400万円の評価損も発生しました。
平成22年度末の繰越損失は、10億1233万1000円になる見通しです。
下欄に図を書きました。これは平成22年度までの土地開発公社の2つの事業がどのような結果を引き起こしたのかを表したものです。経営破たんは明白です。
23年度以降の「経営健全化計画」は、(1)如何にしてこの繰越損失を縮小していくのか、(2)如何にして保有土地を処分するのかという2つの柱で進められます。
次回は、今後の計画を見ていきます。

土地開発公社の借金問題(1)

土地開発公社の借金問題(1)


なぜこうなったのか、という説明なし
借金は住民の税金で穴埋めする計画

土地開発公社の経営破たんは明白
責任を住民に転化して解決へ

kousya2

かつらぎ町の開発公社の債務(借金)はどうなっているのでしょうか。
かつらぎ町は、平成19年5月30日から6月27日にかけて町内9か所で行政懇談会を開催し、町民に対してはじめて開発公社の債務状況について、文書で次のように報告しました。
「土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律に基づいて、町の依頼を受けて行う道路・公園など公共事業に用いる土地の取得、造成、管理、処分や企業用地・住宅用地の造成、分譲を行っています。
かつらぎ町土地開発公社については、バブル経済の崩壊後、企業進出の減少や国・地方の財政状況悪化に伴う町の事業繰り延べ・見直しにより、土地の保有期間が長期化しており、その間の経費や利息の累増により非常に深刻な経営状況となっています。
土地開発公社の平成18年度末借入金残高は22億5900万円となっています。これに対して、保有している土地の実勢価格は約10億3900万円となっており、12億円を超える差額があります。金融機関からの借入に際して町は債務保証(連帯保証)をしており、この差額は土地の売却時に町が補てんしなければなりません。
町では、景気の拡大に伴う金利の上昇が予想される中で、この土地開発公社の経営健全化が、今後の財政運営における最重要課題と認識しており、次の世代に大きな負担を残さないためにも、土地開発公社保有土地の計画的な解消を目指しています。」

町が触れたくないことがある

この説明には、触れられていないことがあります。それは、①誰が公共事業による土地の取得を行い、②誰が企業用地や住宅用地の取得を行ったのか、③その政策判断は正しかったのか──ということです。
土地開発公社による公共事業の取得は、公有地取得事業と呼ばれるもので、仕事を依頼したかつらぎ町が責任をもって買い取る必要があるものです。
企業用地や住宅用地の取得は、土地開発公社の独自事業で土地造成事業と呼ばれるものです。ただし公社の理事長は、町長であったり助役が務め、公社の債務は、100%かつらぎ町が負担することを議会で決定してきたので、精算責任はすべてかつらぎ町にあります。
公有地取得事業の土地を税金ですべて買い取り、土地造成事業の用地をすべて売却しても、12億円を超える借金が残るので、「この差額は土地の売却時に町が補てんしなければなりません。」──これがかつらぎ町の説明です。町民が納めた税金で土地開発公社の借金を穴埋めしなければならない。それをしても借金が減るだけで何も生まれないということです。

借金を負担するのは私たち住民

企業が経営破たんをし、顧客や債権者にご迷惑をかければ、記者会見を開きお詫びをする姿は、テレビや新聞でよく見かけます。破たんの責任がどこにあるのか、追及も鋭いのが普通です。
しかし、かつらぎ町の場合、土地開発公社の経営破たんについて、町民に対する説明もなければ、お詫びもありません。
経営破たんを引き起こしても、誰も責任をとらないし、経営破たんの原因も明らかにしない。自分の口からは、絶対に積極的に説明しない。──これがかつらぎ町の土地開発公社の問題に対する基本的なスタンスです。
12億円の債務の穴埋めという形で土地開発公社の破たんに責任を負うのは、私たち住民です。
かつらぎ町は、19年の行政懇談会で土地開発公社の債務についての説明責任を果たしたとして、税金による土地の買い取りと販売を本格化しました。あれからもうすぐ3年が経ちます。破たんの穴埋めはどうなったのか、次回は現在の計画を紹介します。

高い水道料金の値下げを

高い水道料金の値下げを


maru
平成21年度 約7000万円の黒字が………
高い水道料金の値下げを!!
「水道料金値下げは私の公約」── 山本町長答弁

7000万円の黒字決算──安定的運営続く

suido1

下段の(表1)を見てください。平成8年度から21年度までの14年間の本町の水道事業決算書から明らかになった諸指標です。

▼「当年度純利益」はどうなっているの?

suido2

平成8年度と21年度を比較すればよくわかります。右端の「繰入金を差し引いた額」(A─D)の欄を見てください。平成8年度約800万円の純利益が21年度には約7000万円と9倍の利益増。平成8年度は、水道料金を100円値下げした年です。いかに安定的経営かおわかりでしょう。

▼「有收率」90%が適正といわれているが?

これは、配水した水道水に対し使用された水量がどれだけあるかということです。本町は75%を割り込んでいるので、25%以上が漏水し、お金になっていません。にもかかわらずこの利益が出ています。

▼「給水単価」と「給水原価」の関係は?

suido3

簡単にいえば、販売する水の原価よりも単価が1円でも高ければ黒字になるということです。
平成21年度の給水原価と給水単価を見てください。39円39銭単価が原価を上回っています。つまり1㎥当たり約40円のもうけということです。これが黒字の原因です。
ちなみに平成8年度を見てください。逆に、原価の方が約10円高くて売れば売るほど赤字のはずが……どういう訳か800万円の黒字です。

▼高収益のからくりは?

からくりは、基本料金の仕組みにあります。本町の基本料金は、一世帯1550円(10㎥家庭用A)であり、県内6位の高さです(表2)。この料金設定が高収益を支えているのです。
水の使用量が基本水量以内であっても、基本料金は払わなければなりません。最近の傾向として1か月の使用水量が減少しています。これは、節水だと思われますが、基本料金のおかげで収益の確保はできているということです。

▼地方公営企業とは?

水道事業会計は、地方公営企業です。同法の「経営原則」(第3条)とは、「公共の福祉を増進するよう運営されなければならない」。また、同法21条では、「適正な原価を基礎に健全な運営を確保すること」を規定しており、本町の水道事業会計もこの法の下に運営されるべきです。

700万円あれば一世帯100円 値下げは可能

約7000万円の純利益のうちわずか10%の予算で一世帯100円の値下げができます(表3)。
昨年12月議会の宮井健次議員の一般質問に対して山本町長は、「水道料金値下げは私の公約。検討したい」と答弁しています。
直ちに公約の実現を訴えます。

東芝弘明 2010年12月議会 一般質問

東芝弘明 2010年12月議会 一般質問


問 臨時的任用職員採用を公募に
(町長)公平に応募する機会は当然必要です

問 免許が必要な幼稚園教諭、保育士などについては、給料が安いのが一因となり公募しても集まらないケースもありますが、臨時的任用職員採用については、基本的には公募と選抜の制度をつくるべきではないでしょうか。

町長 臨時職員であっても公平に応募する機会は当然必要かと思っています。一律に全てという訳にはいかないので線引きをしながら原則に返るのが行政の立場だと考えます。

かきおうじのキャラクターで町おこしを

問 かきおうじのキャラクターを生かした地域おこしについて、3点提案します。1つは、かきおうじ物語のシナリオを全国公募し、10分から15分程度のミニミュージカルを作り、各種イベントで上演してはどうでしょうか。

町長 庁内に若い職員でチームを作っているので、意見を踏まえて検討させていただきたい。

問 2つは、キャラクター5体のポーズを100ほど作る提案です。役場は、さまざまな仕事をたくさん行っています。各課からこんなポーズを作ってほしいという要望を出せば、住民生活に関わるバリエーション豊かなポーズができます。いかがですか。

企画公室長 絵に親しんでいる職員も多いので、何とか取り組んでいきたいと思います。

問 3つは、郵便事業会社が作った郵便ポストをかきおうじ型にかえようというものです。いかがですか。

企画公室長 橋本支店から返事があり、設置は可能ということです。かつらぎ町が要望書を出し、支社経由で本社に提出、本社で予算がつけばできます。

町長 がんばらせていただきたい。

重度心身障がい者のサービス向上を

問 重度心身障がい者の訪問看護は、重度心身障害児者医療制度から外されてるので、医療費負担は3割です。県内の負担軽減についてお答えください。

やすらぎ対策課長 橋本市が自己負担1割、岩出市、上富田町、串本町、古座川町は自己負担がありません。

問 独自の助成事業を行うべきではありませんか。
町長 金銭的な問題は別にして、他の制度との関わりがあるので、研究する時間をいただきたい。

問 障がい者の日中一時支援について。児童にはデイサービスがありますが、障がい者にはデイサービスがありません。介護保険のデイサービスに当たるのが福祉施策の日中一時支援です。本町の日中一時支援の単価はどうなっていますか。

住民福祉課長 子どもの場合、4時間未満が1220円、4時間から8時間までが2450円、8時間以上が3670円となっています。

問 重度の場合、つきっきりでサポートすることが必要なケースもある。しかし、これではサービスが成り立ちません。なぜこんな設定になっているのですか。

住民福祉課長 事業所からの要望もあるので考えます。

町長 事業所としても成り立つように制度化をしないと対応がどんどん遅れます。担当者もふくめ検討いたします。

宮井健次 2010年12月議会 一般質問

宮井健次 2010年12月議会 一般質問


協働のまちづくり 町主催で地域おこしの発表会を

問 協働のまちづくりについて、担当課として現在の到達点をどう評価しているか。

企画公室長 当初から職員並びに住民の皆さんのご理解をいただくということは相当時間がかかると思いますので、まだ道半ばと思います。

問 残り任期10か月で協働のまちづくりをどう定着させていくか問われている。軌道に乗せるために、「協働のまちづくり課」(仮称)を設置してはどうか。

町長 一番大事な問題ですので、課の設置を含めて考えていきたい。

問 この間、地域でのまちづくりの実践例があちこちで生まれている。例えば、「ステーション笠田の郷」「天野の里づくりの会」「丁ノ町村おこしの会」「くらり(渋田)」――。全町あげて、これら皆さん方の実践している地域おこしの意見発表会を任期中に行ってはどうか。

町長 これは極めて大事な問題です。そういう機会を是非つくっていきたいと思います。

高い水道料金の値下げを

問 平成8年度は約800万円の純利益、21年度は約7000万円の純利益で、この間約9倍の利益を上げている。また、21年度は、経常収支比率が県下トップの138%と経営は安定している。地方公営企業法第3条に「経営の基本原則」が規定されているが、その中身は。

上下水道課長 「本来の目的である公共の福祉を増進するよう運営しなければならない」と規定しています。

問 仮に100円(世帯当たり)値下げするとしたら、いくら財源がいるのか。

上下水道課長 約700万円です。

問 純利益のわずか1割の財源があれば値下げができる。値下げするつもりはないか。
町長 値下げは私の公約の一つ。検討したい。

三谷橋の拡幅、県道(山崎-寺尾間)を追い越し禁止区域に

問 今回、三谷と妙寺小学校の統合問題の中で、通学路について改築委員会で要望があった。一つは三谷橋の拡幅、もう一つは県道和歌山橋本線(山崎-寺尾間)の追い越し禁止区域への要望だ。いずれも平成25年4月開校という時間の制約がある。町としての対応は。

町長 三谷橋については従来からも要望してまいりました。県道についても追い越し禁止を要望した経緯もあり、子ども達の安全を考えて早急に対応できるよう取り組みを進めていきたい。

7年なら高く10年なら安くなるという委託料とは何か?

7年なら高く10年なら安くなるという委託料とは何か?


民設民営の学校給食
内容を明らかにするのはこれからの課題

そもそも論でいえば、今回の学校給食の民間への委託契約は、調理と配送、食器の回収と洗浄なので、普通は1年契約だと思われます。ただし、準備期間が1年3か月(2年度にまたがる)あるので、3か年の債務負担となるのではないでしょうか。
しかし、教育委員会が提出した債務負担行為は、12年間に及ぶ異例の長さでした。12年間は町長の3期分にあたります。なぜ、教育委員会は、これだけ長期の債務負担行為を設定したのでしょうか。今回はこの問題を一緒に考えてみましょう。

仕様書の作成を業者と相談したのか?

教育委員会は、学校給食運営審議会から答申が提出されると、仕様書の作成に入りました。仕様書は、業務委託の内容を細部にわたって規定するものです。
教育総務課長は、議員全員協議会で、「米飯3回、パン2回を考えています」という説明を行っています。この説明は、業者との間で、仕様書を相談しながら作成した可能性を浮き彫りにするものです。
この辺の事情が明らかになれば、12年間に及ぶ委託契約や民間委託の期間に中学校給食を前倒しで実施するという方針の変更理由が明らかになるように思われます。

委託費の謎解きはこれからの課題

「7年間では委託費が高くなり、10年間では委託費が安くなる」という説明については、謎解きが必要です。
民間業者への委託の内容は、調理と配送、食器の回収と洗浄です。委託費がこれだけに限定されるのであれば、7年であろうと10年であろうと1年間の委託費には違いはありません。
「7年では高くなり10年では安くなる」というのは、委託費に建設コストを加わえている可能性があります。

誰が負担? 施設建設費

民設民営の学校給食を実施するには、業者自身が、学校給食用の施設を用意する必要があります。これは、「学校給食の衛生管理基準」を遵守しなければならないからです。仕出し業者が、同じ施設で学校給食の調理を行うことは、許されません。
業者にとって、この負担は大きいと思われます。
民間業者の施設建設費を考慮し、委託費の中に組み入れる──町は、こういう考え方を採用したのではないか。12年間の債務負担行為は、施設を建設する民間業者の強い要望ではないのか。──こういう疑問が湧いてきます。
和歌山県内の民設民営の学校給食は2施設だけです。民設民営は特異な例です。しかも、この2施設の委託は、調理と配送を中心としたものなので、施設建設費は含まれていません。
教育委員会の説明が問われています。

民設民営の給食──本音は固定化?

民設民営の学校給食についての教育長の答弁は、一貫しています。
「民間の病院でも学校でもいい所はある」「民設民営でもよい内容の給食を実施すれば、公設とほとんど変わらない」「民間委託は時代の流れ」「学校給食の民間委託は禁止されていない」
発言に流れているのは、民間委託でもいいではないかというものです。
全面改正された学校給食法は、21年4月から施行されました。改正は、栄養士の役割をさらに重視し、栄養士による一元的な管理を規定しています。
民設民営の学校給食の最大の問題は、民間に雇用された調理員を町の栄養士が指導できないということです。これでは、栄養士を通じて学校給食の充実をめざす法の精神が生かされません。
教育長の一連の発言は、学校給食法の根本的な精神からはずれるものです。

民設民営から公設公営へ

学校給食運営審議会答申は、民設民営でスタートするのはやむを得ないが、できるだけ早く公設の学校給食に移行するよう求めました。これは、真剣な議論を重ねた結論でした。
今回の債務負担行為は、審議会答申と整合性があるのかどうかが根本的に問われています。
日本共産党は、民設民営の学校給食から出発して、公設公営の給食へ移行することを求めます。栄養士と調理員の方々が、子どもたちのために豊かな給食を求めて日常的に努力する、この仕組みが学校給食発展の基礎となります。出発の時期だからこそ、原点に立った議論が重要だと考えます。

2011年度予算編制に対する要望書

2011年度予算編制に対する要望書


2011年度予算編制に対する要望書

2011年1月12日

はじめに
貴職におかれましては、ますますご清栄のことと存じます。
大企業は、08年秋のリーマン・ショック前の経常経費をほぼ回復しています。しかし、その一方で国民の暮らしは厳しさが続いています。失業率は5%あり失業者は300万人を超え、1年以上の長期失業が128万人に膨らんでいます。雇用確保が最大の国民的な課題ですが、改善される見通しは立っていません。民間給与の減少に歯止めがかからず、年収200万円以下の労働者が増えて全体の4分の1を占め、貧困の広がりもますます深刻になっています。
地域経済では、農業の衰退傾向が顕著になり、中小商工業も減少の一途をたどっています。経済の縮小傾向とかつらぎ町の人口減少は深くつながっています。
雇用を確保し暮らしを守るとともに、地域経済の活性化めざして、農業、中小商工業の振興に自治体として全力を尽くす必要があり、住み続けられる町として、福祉や医療、教育の分野の充実が求められます。国の「きめ細かな交付金」や「住民生活に光を注ぐ交付金」の活用でも、このような観点が貫かれて具体化されることを切望します。
国の政治が、社会保障制度の改悪や国民への負担増を当然視し、派遣労働の原則禁止にも背を向け、法人税の5%減税は行う一方で、国民には消費税増税を押し付けようとしています。さらにTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に道をひらき、農業が破壊されてもかまわないという態度さえとりつつあります。
かつらぎ町は、自主的自覚的精神を発揮して、事態に立ち向かわなければなりません。本町が打ちだしている協働のまちづくりは、住民と行政が力を合わせて活路を切り拓く努力そのものです。
日本共産党町議団は、以上のような認識に立って、以下、予算要望をおこなうものです。

 

1 町民が主人公の協働の町づくりのために

  1. 協働のまちづくりを軌道にのせるため、「協働のまちづくり課」(仮称)を設置されたい。
  2. 世界遺産に登録された町にふさわしい観光と農業を組み合わせた町づくりを研究されたい。そのためにも、物産販売所と農産物加工所などの実現を図られたい。
  3. 遊休農地の活用を視野に入れて本町へのUJIターンを促進されたい。そのために、空き家の有効活用、移住者へのサポート体制などを整えられたい。
  4. 低所得者や生活困窮者に対し、町独自の無利子の生活つなぎ融資制度を実現されたい。
  5. 中小企業や地場産業の実態を踏まえ、自治体支援のあり方を示す「地域経済振興条例」の制定をめざされたい。
  6. 柿などの農産物の価格保障制度を国・県に働きかけるとともに町独自の施策を設けられたい。
  7. 紀北分院を核とした保健・福祉・医療を充実させ、「ウエルネスタウンかつらぎ」(仮称)をめざす町づくりを研究されたい。
  8. 各種団体の補助金を機械的に削減することがないようにされたい。
  9. 機構改革については、課・室の統廃合だけではなく、チーム制の導入などで連携が図れるよう研究されたい。
  10. 和歌山大学と協定を結び、まちづくり、まちおこしに知恵を発揮してもらうとともに、大学による市民講座などの開設で町民に学習機会を提供するとともに自治体職員の育成をめざされたい。

2 防災に強いまちづくりのために
  11. 南海・東南海地震の対策の中の緊急対策に老人や障害者などの避難マニュアルを組み入れるとともに、受け入れ施設として、民間福祉施設との間で使用協定を結ばれたい。
  12. 広域消防優先を改め、伊都消防本部が定めている「消防力の基準」を満たすよう人員を配置されたい。
  13. 地震などの緊急時の協力体制を広域で検討されたい。
  14. 緊急通報を全町におこなうために防災行政無線を設置されたい。
  15. 子どもに対する防災教育を低年齢の時期からおこない、充実を図られたい。

3 福祉・医療の向上めざして

  1. 医大紀北分院を地域医療の要として位置づけ、地域連携を図るために町と病院、住民の3者で「地域医療協議会」(仮称)を立ち上げられたい。
  2. 国保の広域化に反対し、国庫負担金を元の50%に戻すよう国に働きかけられたい。
  3. 県に国保への助成制度を拡充するように働きかけられたい。
  4. 国保被保険者への資格証明書は、被保険者の実態を把握し、発行しないよう努力されたい。
  5. 子育て支援並びに町活性化の施策の一つとして、乳幼児医療費の無料化をせめて中学校卒業まで引き上げられたい。
  6. 子宮頸がんワクチンへの公費助成及び不妊治療への町独自助成を導入していただきたい。
  7. 日中一時支援については制度を充実し、障がい者に対する訪問看護については、負担の軽減を図られたい。
  8. 外出支援サービスは、適用基準の枠を拡大し、医療機関や買い物先への移送を実現されたい。
  9. 車イスでも利用できるバス、電車等の運行を各関係機関に働きかけるとともに、車イスが通行しにくい歩道(国道・県道・町道)について早急に調査し、改善をはかられたい。
  10. 福祉タクシー制度を充実させ、タクシー券とガソリン券のいずれかを選択できるようにされたい。
  11. 社会福祉士の資格をもった職員を雇用し、困っている住民が公的施策にアクセスできるところまでサポートできる体制を整えられたい。
  12. お年寄りの行動範囲を広げられるようになるので、コミュニティバスにシルバーパス制度を導入されたい。
  13. 紙おむつや日常生活用具の給付の条件枠を拡充されたい。
  14. すべての保育所で0歳児保育・延長保育・一時保育を実施し、保育サービスを充実されたい。
  15. 保育料の決定は、使用料にあたると思われるので、条例化されたい。
  16. 幼保一元化については、就学前の教育だという観点を貫き、教育委員会を軸に進められたい。
  17. 必要な保育士の確保をおこなうとともに、安すぎる臨時的任用職員の賃金については、さらに引き上げられたい。
  18. 下水道事業の導入によって、住民の負担が増えるので、水道料金は、基本料金及び超過料金の単価をさらに引き下げるとともに、一人暮らし老人及び老人世帯の水道料金に軽減制度を導入されたい。
  19. 介護保険料の減免制度の内容を充実し、低所得者の負担を軽減されたい。
  20. 介護保険利用料については、町独自の軽減制度を導入されたい。
  21. 町独自の住宅リホーム助成制度をつくり、地域経済の振興に寄与されたい。
  22. シルバーハウジングをつくるとともに、民家の改造などによってふれあいサロン(仮称)等を実現されたい。
  23. 寝たきり老人介護扶助制度を見直し、介護手当への発展を図り、金額を引き上げられたい。
  24. 成年後見人制度の積極的活用で老後も安心して生活がおくれるよう支援されたい。

4 住環境、くらし、文化、生活の向上を

  1. コミュニティーバスの運営を改善するとともに、かつらぎ霊園を通過するよう改善されたい。
  2. 買い物難民の実態調査を行い、商工会などと協力して早急に救済策を講じられたい。
  3. 妙寺マルエス前交差点、妙寺県信のJR踏切、笠田駅東の踏切及び交差点など、交通安全上、危険度が高いところについては、改良されたい。
  4. 防犯灯の設置補助金を増額されたい。電気代についても補助制度を導入されたい。
  5. スポーツ施設や文化施設の貸し出しは、料金支払の形態を改善するなど簡素化されたい。
  6. 市街化する計画のたたない山間部に都市計画税をかけることは、目的税の主旨に反しているので廃止されたい。
  7. ごみ収集手数料の徴収は、野焼きによるダイオキシンの発生につながるので無料化されたい。
  8. 広域のごみ処理については、広域組合が焼却施設及びリサイクルセンターの管理運営に直接責任を負えるよう、民間委託の形態を研究されたい。
  9. 繊維くずについては、旧橋本市、かつらぎ町、九度山町の事業所も搬入できるよう働きかけられたい。
  10. 各種の使用料、手数料は引き上げないでいただきたい。
  11. 職員の超過勤務については、実態をふまえたものにされたい。また代休をとるよう指導するのは、労基法に反するのでやめられたい。
  12. 有害鳥獣捕獲事業等補助金を増額するとともに、有効な対策を講じられたい。
  13. 三谷橋の拡幅と県道和歌山橋本線(山崎──寺尾間)を追い越し禁止区間にするよう県に働きかけられたい。
  14. 笠田小学校の正門への進入路(通学路)を新たに設置していただきたい。

5 民主主義の前進のために

  1. 憲法9条を守り憲法改悪に反対されたい。
  2. 情報公開は、協働のまちづくりの基礎になるので、意思形成過程の情報も積極的に開示し、住民とともにまちづくりをおこなうよう改善を図られたい。
  3. 補助金を交付している団体による報告書も公開の対象にするとともに、公民館などには、行政資料や議会資料をおき、閲覧・コピーができるようにされたい。
  4. 町政モニターは、①男女を構成員にすること、②公募方式も採用すること、③町政全体について把握できるよう改善すること、④課題の設定とレポートの提出することなど、改善されたい。
  5. 町の付属機関や審議会の構成から議会議員をはずすとともに、特定の個人や団体に偏重しないようにつとめ、住民代表、女性代表などを増やし、年齢別、階層別にバランスのとれたものにされたい。
  6. 議場にテレビカメラを設置し、窓口などで放映している自治体が増加している。議会の状況を庁内で見られるよう改善されたい。
  7. 現行の町長の資産公開条例の対象を副町長及び議員に広げられたい。「政治倫理条例」については、審査会の設置、住民の審査請求権、政治倫理の基準(企業・団体献金の禁止を含む)などを明記したものに改正されたい。

6 教育行政の充実めざして

  1. 図書館に平和図書のコーナーを設置するとともに、非核平和に関する資料収集をすすめられたい。
  2. 教育委員会の独立性と自主性を一層徹底するために、教育委員の準公選制導入を検討されたい。
  3. 子どもの権利条約が実際に生かされるために、この条約を町づくりの基本にすえるとともに、この条約が生かされる学校づくりを目指されたい。
  4. 学習指導要領はミニマムスタンダードであるので、地域と学校の自主性を保障して、学習内容やカリキュラムの自主編成ができるよう条件を整備されたい。
  5. 日の丸・君が代が「国旗」「国歌」となったが、教育現場への押しつけは、憲法が保障する内心の自由を侵すことになるので、あらためられたい。
  6. 日の丸の毎日の掲揚を教育現場に押つけることは、学習指導要領にも規定がないので、ただちにやめられたい。
  7. 住民の自発的な意志にもとづき学校内に「地域本部」を設置し、学校の図書室の改善や環境整備、グラウンドの芝生化と管理などが実現されるよう努力されたい。
  8. 学校図書の予算増額を図るとともに兼任でない司書を配置されたい。学校の図書室を地域に開放し、町立図書館の本の検索と貸し出しなども実現されたい。
  9. 学校給食の民間委託は、やむを得ない措置とし、教育委員会の計画にもとづいてすみやかに公設公営への移行を図られたい。
  10. 高校進学希望者が全員入学できるように募集定員をあらためるよう、県に働きかけられたい。
  11. 町独自に低所得者のための高校、大学奨学金制度を実施されたい。
  12. 各学校で何が父母負担になっているのかを調査し、父母負担の解消をめざされたい。
  13. 町内の私立幼稚園にも町の幼稚園と同じようにさまざまな情報を伝えるとともに、行政がおこなっている子ども向けの行事に参加できるよう案内をおこなわれたい。
  14. 公立幼稚園で預かり保育を実施し、緊急時に生じる保育にかける状況に対応できるようにされたい。
  15. 小学校の統廃合は、住民合意が何よりも大切なので、合意形成を事業推進の基本にすえられたい。
  16. 小学校の統廃合によって、山間部の教育条件は大きく後退せざるをえない。より良い教育の実施が求められているので、町独自の35人学級等を実施し、少人数学級に基礎をおいたゆき届いた教育条件をつくられたい。
  17. 全国学力テストは、より一層競争を組織するものにしかならず、教育上弊害が多いので不参加という態度をとられたい。
  18. 小・中学生が通学に利用するバスについては、統廃合をまたずに料金を無料にしていただきたい。
民設民営の学校給食──債務負担行為の期間は12年間

民設民営の学校給食──債務負担行為の期間は12年間


答申とは全く違う内容だと質疑
町当局が債務負担行為を取り下げ

学校給食運営審議会の答申の命題の一つは
公設のセンター給食への移行だった

かつらぎ町は、12月議会に提出した一般会計補正予算の中の債務負担行為補正のうち、小学校給食業務委託料3億6110万円について、議案の修正を行い取り下げました。
20日の議会最終日、本会議で一般会計補正予算の質疑が行われました。しかし、この債務負担行為の質疑をめぐって会議が中断し、休憩の後延会されました。
翌21日、本会議が続行され、まず議員全員協議会が開かれました。この会議の最終、議会運営委員会の委員長である宮井議員が、債務負担行為のうち、小学校給食業務委託料を取り下げて、学校給食運営審議会へ差し戻すよう提案し、了承されました。

質疑で何が問われたのか

質疑では何が問われたのでしょうか。
債務負担行為は、契約等で発生する債務の負担を設定する行為で、予算とともに議会に提出する必要があります。
小学校給食の業務委託料は、平成22年度から33年度の12年間です。2年間は準備期間、民設民営での給食実施は10年間というのが教育委員会の計画です。
教育委員会は、質疑の中で次のように答弁しました。
「民設民営の10年間の中で中学校給食も実施したい。給食費250円のうち、50円については、教育委員会が年間760万円の予算を組んで保護者負担を軽減したい」
しかし、この説明は、11月26日に教育委員会に提出された「学校給食運営審議会」の答申(答申PDF)の基本点とは、大きく食い違うものでした。
諮問は、民設民営の学校給食をどのような内容で実施するのかを求めたもので、将来の学校給食のあり方を根本から問うものではありませんでした。
審議会では、協議の冒頭この諮問のあり方が問題になり、議論の結果、審議会には、「諮問に対して答申を行うとともに教育長に対して給食のあり方を建議する性格を合わせ持っている」ことが確認され、将来の学校給食のあり方についても答申の中に盛り込むことになりました。
その結果、答申の第2章「基本的な考え方」の中に「民設民営による学校給食においては、特に安全安心に充分留意する。近い将来、行政の責任において公設によるセンター方式に移行し中学校 給食も含めて実施する。」ことが盛り込まれました。
さらに第3章「民設民営による学校給食の運営について」のところでは次のように書かれています。
「民設民営による学校給食は、町長が平成21年9月議会で『財政問題を大きな理由として、まずは民設民営による学校給食を開校した小学校から実施する。しかし、近い将来、中学校給食も含め考える必要がある。学校給食はセンター方式にすべきだと考える。』と答弁したように、先ず民設民営でスタ ートし、近い将来、中学校給食も含めた学校給食を公設によるセンター方式 で実施する。そのために、審議会で引き続き協議するとともに教育委員会に対しては早急に移行計画の策定を求める。
なお、民設民営の学校給食では、労働者派遣法等の関連法規により栄養士が業務委託した民間業者の調理員に直接指示できないという課題がある。このことを克服するには、公設によるセンターの設置が必要である。また、民設民営の学校給食を実施する市町村に対して、和歌山県は栄養士の配置を行わないので町で雇用しなければならない。」
なぜ民設民営から公設のセンターに移行すべきなのか、公設のセンターへの移行とともに中学校給食を──これが答申の一つの命題でした。
今回の債務負担行為の質疑の中で、教育委員会は、11年後に公設のセンターを建設するとは一言も説明せず、教育長は、「民設民営でもいい給食を実現する。和歌山市でも民営化される。民営化は時代の流れ」だと答弁しました。
また、10年間の委託については、「7年間の委託では委託費が高くなる。10年間の方が委託費が安い」「中学校給食については、実施を求める声が強いので民設民営の中で実施したい」
民設民営による学校給食を10年間固定する。そのかわりに中学校給食を実施する。食材料に補助金を出して保護者負担を軽減する。そうすれば、センター給食への移行はしなくてもいい──一連の答弁からこういう疑念が浮き上がります。

教育委員会の認識はどうなっているのか?

現時点での教育委員会の認識を書いておきましょう。
教育委員会は、審議会の答申の趣旨は十分踏まえており、何ら矛盾はないという態度です。また公設のセンターへの移行は、諮問にはなかった問題で、答申の中心課題ではないと言っています。
こういう認識だからこそ、平気で12年間の債務負担行為の議案を出してきたということでしょう。
答申は、教育委員会が事務局に入って一緒に作ったものでした。わずか1か月でなぜ大きく変化したのか。そこには何が横たわっているのか。──次回はこれらを見ていきましょう。