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月別: 2011年2月

かつらぎ町の学校給食、いよいよ実施へ

かつらぎ町の学校給食、いよいよ実施へ


債務負担予算、全員一致で可決
給食費の保護者負担軽減を約束、中学校給食実施へ努力

学校給食は業者選定へ

2月3日、臨時議会が開催され、学校給食実施のための債務負担予算3億6100万円が議会に再提出されました。議会は、質疑の後、全員一致でこの予算を可決しました。この予算が通ったので、学校給食実施に向け委託する業者の選定が行われることになります。
12月議会で同じ内容の債務負担予算は、質疑で紛糾した結果取り下げられていました。出直しとなったこの予算は、一切修正されることなしに可決したことになります。

食い違ったのは民設民営の学校給食ではありません

11月26日に提出された学校給食の実施についての答申と町の方針を比べると、その内容は、大きく食い違っています。12月議会では、この食い違いをめぐって意見が対立しました。どこが食い違っているのか見てみましょう。
学校給食運営審議会への諮問は、民設民営の学校給食をどのような内容で実施するのかというものでした。つまり、民設民営の学校給食の実施は、織り込み済みの問題でした。意見の対立は、民設民営の学校給食の実施にはありませんでした。

センターへの移行は踏みにじられました

食い違いは4点あります。
一つは、民設民営の学校給食をできるだけ早く終了し、かつらぎ町立の給食センターに移行するという点です。
答申は、教育委員会が移行計画を作成して、近い将来移行することを求めていました。しかし、町の方針は、12年間の民間委託を保障し、さらに再委託もあり得るというものでした。できるだけ早く給食センターに移行することも、移行計画をもつことも約束できないというものでした。

民設民営の中で中学校給食実施へ

二つは、中学校給食を12年間の民間委託の期間中に実施するという点です。
答申は、中学校給食と給食センターへの移行は、セットで打ち出されていました。セットで打ちだしたのは町当局でした。
町は、この方針を変更し、民間委託の期間中にできるだけ早く中学校給食を実施するとしました。この方針変更は、町民の願いに積極的にこたえる側面と民設民営の学校給食を固定化する側面をもつものでした。

給食費への補助が実現します

三つは、学校給食費に対して補助を出すという点です。
教育委員会は、答申の審議のテーマに学校給食費の金額を議論していただきたいという態度をとっていました。一食当たりの給食費の議論は、極めて具体的な問題なので委員の方々は躊躇しました。それでも最終結論として、大谷小学校と同じ250円程度という答申になりました。
保護者負担を軽減するために補助を出すのは嬉しいことです。しかし、これは、審議会の討議を非常に軽く扱うものでした。
今回の保護者負担の軽減は、「7年間の民間委託よりも10年間の民間委託の方が委託料が安くなるので、この費用で保護者の負担を軽減したい」というものです。ここにも民設民営の学校給食の固定化への意図が現れています。

委託には投資した資本の回収費が含まれます

四つは、委託費は調理と配送に限るという点を変えたということです。
今回の委託費には、民間業者が投資した資本を回収するという視点が含まれています。和歌山県内の民設民営で、委託料に投資した資本の回収を視野に入れている事例はありません。
業者の中には、投資した資本の回収を考慮に入れない業者はあります。理由も明確です。学校給食の施設は、衛生管理基準が厳しいので、学校給食の委託以外でも介護関係や医療関係の給食の委託を受けられるからです。

わずか一か月
短かった答申の生命力

答申は、教育委員会が「住民の意見を聞く」ために自ら進んで組織したものです。にもかかわらず町の意向にそぐわない答申は、一か月でその生命力を失いました。

手づくりによる地産地消の学校給食の実施を求めます

日本共産党町議団は、指摘をしながら債務負担予算に賛成しました。
賛成した理由は、学校給食の実施は住民の悲願であり、日本共産党は、この住民要求を掲げて実現を求めてきたからです。
日本共産党は、これからも直営による学校給食の実現をめざします。同時に民設民営のもとでも調理員体制を整え、冷凍食品を極力使わない地産地消の手づくりの給食が実現できるようがんばります。

TPPへの参加はわずか10か国──TPPの参加国は極めて少ない

TPPへの参加はわずか10か国──TPPの参加国は極めて少ない


かつらぎ町議会は参加反対の意見書を全員一致で可決

最近、TPPという話が盛んに国会で取り上げられ、新聞やテレビでもニュースになっています。
Tppとは、「環太平洋経済連携協定」のことで、アメリカ、オーストラリア、東南アジア、東アジアなどの国々を対象に関税をかけない自由貿易の協定を結ぼうというものです。
しかし、話の大きさと実際の加盟国との間には、大きな差があります。Tppが発足した2006年5月の時点での加盟国は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国でした。
現在は、この4か国に加えて、オーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナム、マレーシアの5か国が参加を表明しています。日本政府が、あわててTPPへの参加を検討すると表明したのが昨年11月の閣議決定でした。今年に入って菅総理は、TPPについて「平成の開国」だと言いました。

問題の焦点は日米協定にある

TPPの問題は、私たちの暮らしに直結します。菅総理のいうようにいいことなのかどうか、見極めることが大事です。
日本を加えた10か国の中で、日米2国のGDPの合計が90・8%を占めます。参加を表明している国は、小さな国が多いので、10か国のTPPは、事実上日本とアメリカの自由貿易協定になるということです。しかもTPPという協定は、すべての分野で関税をゼロにする、例外規定は設けないというものです。
アメリカとの間で、すべての分野が関税ゼロになったらどういうことが起こるのか──ここに問題の焦点があります。

農業は壊滅的─自給率は14%に

TPP問題で真っ先に反応したのは農業関係であり、農水省の試算は衝撃的でした。試算は、TPP参加により農産物の生産額が4・1兆円減少し、食料自給率が14%に低下、雇用が340万人減少するとし、結論として次のように指摘しています。
――「大規模化」をしても米国は日本の平均耕地面積の100倍、豪州は1500倍でとても競争できない。
――安い輸入農産物との差額を補てんしたとしても食料自給率は下がる。しかも差額補てんに必要な額は2兆5千億円にもなり、国民の理解を得られない。
この警告を正面から受けとめる必要があります。

町議会は全員一致でTPP参加反対

町議会でTPP問題が審議されたのは昨年の12月議会です。議会には、和歌山県農業団体連合会(代表 井上雅夫氏)からTPPへの参加に反対する意見書を提出していただきたいという団体請願が提出され、紀北川上農協からも同じ趣旨の要望書が届いていました。
農業団体連合会も和歌山県内の農協もTPP問題で意見は完全に一致しています。委員会で議論された中心は、やはり農水省などの試算でした。
「これ以上農業を破壊し、自給率を低下させることは許せない。農業を基幹産業としている地域は壊滅的な打撃を受ける」──これが委員会の合意となりました。
請願を付託された総務産業常任委員会は、全員一致で請願を採択し、紀北川上農協が添付していた意見書案を基本に意見書を作成しました。本会議では、全員一致で請願が採択され意見書が可決されました。上記の囲みが、可決した意見書です。
政府は、6月中に参加するかどうかの態度を決定しようとしています。民主党は、この問題では、完全に国民の利益を裏切ってしまいました。日本の農業を守れるかどうか、世論と運動を起こすことが重要です。

国の追加経済対策が予算化

国の追加経済対策が予算化


交付金9348万円
組んだ事業は1億1810万円

2月3日、臨時議会が開催され一般会計補正予算が全員賛成で可決されました。
今回の補正予算は、国の経済対策交付金事業の予算化が中心でした。
「きめ細かな交付金事業」は、追加補正されたものです。表にある15事業は、予算化できていなかった懸案の事業について、交付金を活用して予算化したものです。この交付金は、建設事業などハード面と備品などのソフト面の両方に活用できるものです。
保育所の保育室へのエアコン設置は、昨年の猛暑の中でも切望されていました。
教育関係では、来年度から中学校で始まる武道(剣道と柔道)についての防具や畳などが購入されます。吹奏楽用の楽器も購入されます。
議場の放送録音設備は、老朽化し、傍聴人からは聞き取りにくいという苦情が寄せられており、何度も故障していたので改修されます。

「光をそそぐ交付金」はどこに光を?

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「光をそそぐ交付金事業」は、保育所、幼稚園、町立図書館、児童館の図書の購入とスクールカウンセリング事業実施のために予算化されました。
この交付金について国は、いったん基金に積み立てて、23年度と24年度で予算執行することを求めました。活用できるのは、「これまで住民生活にとって大事な分野でありながら、光が十分に当てられて来なかった分野(ドメスティックバイオレンス対策・自殺予防等の弱者対策、知の地域づくり)に対する取組の強化」となっています。町当局は、弱者対策と知の地域づくりの2点で予算化したと説明しました。
しかし、この交付金を活用して図書を購入するので、毎年単独で組まれていた図書購入費は予算化されません。質疑で日本共産党は「これでは光が半減する」と指摘しました。
表にあるとおりこの2つの交付金を活用して1億1810万円の事業をおこなうということです。

極めて異例 交付税の増額補正

今回の補正予算では、交付税が8351万9000円増額補正されました。これは、平成21年度分の国税5税(法人税、所得税、酒税、たばこ税、消費税)の決算剰余金が1兆7600億円あったこと及び平成22年度の国税5税の収入見込額が2兆2470億円になるため、交付税法の改正をおこない地方交付税に繰り入れるものです。
国税5税の収入増は、大企業を中心に法人税収が増えた結果です。これは、不況の中でも大企業の経営がよくなっている反映です。
国による交付金事業と交付税の増額補正によって、21年度末で8億6988万7000円だった本町の財政調整基金(本町の貯金)の残高は、この補正時点で10億2239万5000円に増えました。これは、会計の安定と活性化する財源が生じていることを表すものです。
本町は、会計の安定化を重視するだけで、町民の暮らしの実態を直視して経済対策をおこなう姿勢に欠けてきました。今回の事業が地域経済の強化に生かされるとともに、町の活性化をめざす新たな対策が求められています。

土地開発公社の借金問題(3)

土地開発公社の借金問題(3)


14億円〜15億円の税金を投入し保有土地を処分
公有地取得事業の処分計画

上の表をご覧ください。これは、土地開発公社の公有地取得事業と土地造成事業における保有土地の処分計画を表したものです。
公有地取得事業の簿価は、平成22年度末現在で4億530万円です。この用地は、簿価どおりかつらぎ町が土地開発公社から買い取る必要があります。買い取り年度が遅れると、利息が加算されるので簿価が上がります。計画期間の28年度までに6件の用地を買い取る計画で、一般会計予算の中から町民の税金を当てて買い取ります。計画以後に残る用地は、日進化学に貸し付けている約3600万円のものだけになります。
かつらぎ町が用地を買い上げても事業がほとんどおこせないところに特徴があります。

土地造成事業の処分計画

土地造成事業の保有土地の22年度末の簿価は、6件、1億2650万円です。本来、土地造成事業は、土地開発公社が販売をおこなって利益を生み出そうとするものですが、販売予定なのは、柏木住宅用地と西渋田企業団地、柏木企業団地の3件です。このうち、計画年度中に販売するのは、柏木住宅用地だけですが、この販売で売却損が生まれる可能性があります。
柏木企業団地を借りていた「はちくまカントリー」は、今年の1月、経営破たんしました。この用地は、将来「はちくまカントリー」に買ってもらうことになっていたので、計画変更を余儀なくされます。
妙寺西住宅用地と妙寺住宅用地、名山用地については、販売できる条件にないのでかつらぎ町が買い取ります。これらの買い取りは、一般会計で予算を組んで行われます。
計画期間中、公有地取得事業と土地造成事業の買い取りにつぎ込まれる税金は毎年5600万円〜6800万円程度(6年間の合計額は3億8580万円)となります。
売却損で発生した損失10億円の補てんは、一般会計からの補助金で行われます。23年度から6年間、毎年6000万円、6年間で3億7400万円の予算が組まれます(28年度のみ7400万円)。補助金の財源は、「まちづくり基金」の10億円です。

つぎ込まれる税金は14億から15億円

このような対策を行うことによって、22年度末の5億3180万円の資産は、28年度末には1億3628万円となり、繰越損失は、10億800万円から約6億円となります。
28年度以降、新たな計画を立てることになりますが、基本的な方向は、現在の計画と同じだと思われます。
22年度末を起点にすると、すべての保有土地を処分するのに必要な資金は、14億円から15億円程度になるということです。
「バブル経済の崩壊後、企業進出の減少や国・地方の財政状況悪化に伴う町の事業繰り延べ・見直しにより、土地の保有期間が長期化」しているというかつらぎ町の説明は、事実にあいません。
本町の土地開発公社の問題は、財政再建を果たした溝端町政が、いくつかの事業の成功のあと極めて乱脈な土地の購入をおこない、引き起こした破たんだということです。
日本共産党町議団は、事業を推進していたその時から、実態を明らかにし事業の中止を強く求めてきました。ストップをかけなかった町当局、後押しした議会の責任は重いことを忘れてはならないと思います。
(おわり)