クリーン・誠実・情熱──迅速な判断と実行を政治信条とする井本泰造氏が激戦を制して第8代かつらぎ町長に就任した。
同氏は、選挙期間中、①水道料金の値下げ、②国民健康保険税の軽減、③学校給食の完全実施、④町長・副町長・教育長の報酬の10%減額、⑤行政改革(ムダを省く)──の5つの公約を訴えた。いずれの公約も現在の町民の暮らしをみれば、即実行していただきたいものばかりだ。
残念だったのは、政策論争がなく、「お願い」合戦に終始したことだ。井本氏は、有権者の前で堂々と〝明日のかつらぎ町の姿〟を論じるべきだった。
少子高齢化、過疎化が同時に進行している本町にとって、地域の活性化をはかるのは簡単なことではない。だからこそ町民の知恵が必要なのだ。全国で同じような状況に置かれている自治体は少なくないが、元気なまちは、財政が豊かでなくても、自分たちで知恵を出している。
住民の声を聞き町政運営を
住民に選挙で選ばれる首長と議員は、首長が行政の長となり、議員が議会を構成する。しかし、この2元代表制は、町長優位の政治システムになっている。今、議会は、町当局と対等平等の関係を築くために議会改革に取り組み始めている。
井本町長は、選挙はがきに「町政の主人公は町民である」と書いて選挙を行った。徹底して住民やその代表である議会の声を聞きながら町政の舵取りをおこなっていただきたい。