八女市の乗り合いタクシーを視察して


視察研修報告書

かつらぎ町議会 議長 新堀 行雄 様

総務産業常任委員会委員 東芝 弘明

  • 研修日時及び視察先
  • 日時:令和2年1月22日午後2時~4時
  • 視察先 福岡県八女市
  • 研修参加者及び随行職員 総務産業常任委員会委員及び議会事務局職員、企画公室職員
  • 研修目的 ドアtoドアの乗り合いタクシーの運営
  • 研修を受けての所感

八女市は、乗り合いタクシーをタクシー会社やバス会社など6社に委託し、車購入の際には150万円の購入補助金を出し、さらに年間契約で運営委託費を出していた。タクシー会社は、例えば10人乗りのハイエースを購入すると300万円程度の費用がかかるが、ほぼ半額の費用負担で車を用意できていた。運営委託費は、1時間あたり2300円で市が借り上げているという契約になっている。事前登録制で利用登録が行われていて、片道300円、エリア外までの運行の場合は400円という設定だった。300円の内、150円が市に収入として入り、150円が委託業者に入る。1台あたりの委託料が年450万円、1エリアの運行は1日9便、8時から4時まで運行されている。乗り合いタクシーは12台(金曜日のみ13台)走っている。予約は朝の8時分は前日予約だが、それ以外は30分前までOKという点でも利便性の高いものだった。

受付センターは、商工会に運営を委託していた。タクシー会社やバス会社ではないセクションが委託を受ける仕組みもいいかと思った。元市職員がセンター長を勤め、オペレーターの管理を行っていた。お年寄りの利用が多い乗り合いタクシーは、行き違いや勘違い、思い違いなどによるトラブルが毎日のように発生する。目的地と違うところで下ろされたとか、待っていても来なかったなどのトラブルを、解決している様子を笑いながら話をするセンター長の姿を見ていると、この人がいることによって、心優しい乗り合いタクシー運行が実現しているのだろうと思った。トラブルが起こって当たり前ですよという姿勢からは、センター長の優しさが伝わってきた。

コンピュータ管理によるオペレーターの仕事を通じ、誰がどこからどこまで乗ったかということまで全部把握でき、一日の集計、月別集計、車ごとの集計、便ごとの集計、乗降場所の多寡、年代別集計などが自由自在にできていた。事前登録による運行管理は、そのまま運行の改善につながるものだと実感した。また、当初は割高だった管理システムは、全国に乗り合いタクシーが普及する中で改善され、経費も安く上がるようになっていた。

視察に来てよかった。現地の話を聞くと見えなかったものが見えてくる。以前、八女市の乗り合いタクシーについて電話で取材をして一般質問をしたことがあったが、やはり百聞は一見にしかず、経費の安さとともに電話取材では見えない点が見えてきて、感激してしまった。

  • 本町に照らした所見

八女市のように安い経費で乗り合いタクシーが導入できるなら、本町でもできることが実感できた。視察が終わってから、山間部の乗り合いタクシーなら、軽四の乗用車でも十分だという話になった。コミュニティバスの購入経費と比較すると極めて安い経費でタクシーを導入できるのは魅力的だった。事前登録制とコンピューター管理によるオペレーターシステムは、事業の成果と課題を多面的に明らかにするという点も魅力的だった。

タクシー会社の経営的な発展、雇用の確保という点でも、町の経費が住民の暮らしに生きるよい事業になると思われる。

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