──あなたは自分の地域の避難所を知っていますか?──
「想定外とは言わせない」
東日本大震災から2か月が過ぎました。復興への取り組みは始まっているものの、政府の対応は後手に回っていると被災地住民からは指摘されています。
募金約1000万円──人の派遣も
かつらぎ町における震災後の動きを追ってみると──3・11大震災発生後、町は、募金、物的・人的支援に取り組んできました。
募金は、累計約1000万円(4月30日現在)。これは、募金箱(役場、社会福祉協議会、花園支所、社会福祉協議会花園支所)、自治区、各団体から役場に持ち込まれた分、社会福祉協議会での募金などを集約したものです。
人的支援については、社会福祉協議会2人、上下水道課2人、保健師1人を派遣しています。職員組合からは2人がボランティア休暇をとって被災地支援に行きました。
和歌山県は、岩手県山田町の避難所に県内の自治体職員を1か月にわたって継続的に派遣します。これには、かつらぎ町は5月11日から16日の日程で1人派遣しました。
東日本大震災──対策本部を設置
4月6日、かつらぎ町は「かつらぎ町東北地方太平洋沖地震支援対策本部」を設置しました(本部長は山本惠章町長)。その要綱をみると、この対策本部は、⑴災害対策に関する情報の収集、共有及び提供に関すること、⑵人員、物資その他の支援に関すること、⑶前2号に掲げるもののほか、対策本部の設置目的を達成するために必要なこと、となっています。事務局は総務課消防係。事務局は次の4項目を所掌するとなっています。
(1)総合的な情報集約と調整に関すること
(2)備蓄物資の支援に関すること
(3)職員派遣及びその準備に関すること
(4)総合的な町民からの相談及び対応に関すること
町内の避難所──危険がいっぱい
それでは、かつらぎ町内の避難所は、どうなっているのでしょうか。
かつらぎ町地域防災計画によると避難所は57か所(下表)。うち①昭和56年以前建築物が避難所に指定されているのは18か所、②紀の川浸水想定区域内8か所、③土砂災害危険区域内16か所となっています。
東日本大震災から2か月が経過しても、町当局は避難場所の総点検すら行っていないというお粗末な実態です。今回の震災の教訓をどう受けとめているのか、「想定外」だと言わせてはなりません。
(M)