TPPへの参加はわずか10か国──TPPの参加国は極めて少ない


かつらぎ町議会は参加反対の意見書を全員一致で可決

最近、TPPという話が盛んに国会で取り上げられ、新聞やテレビでもニュースになっています。
Tppとは、「環太平洋経済連携協定」のことで、アメリカ、オーストラリア、東南アジア、東アジアなどの国々を対象に関税をかけない自由貿易の協定を結ぼうというものです。
しかし、話の大きさと実際の加盟国との間には、大きな差があります。Tppが発足した2006年5月の時点での加盟国は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国でした。
現在は、この4か国に加えて、オーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナム、マレーシアの5か国が参加を表明しています。日本政府が、あわててTPPへの参加を検討すると表明したのが昨年11月の閣議決定でした。今年に入って菅総理は、TPPについて「平成の開国」だと言いました。

問題の焦点は日米協定にある

TPPの問題は、私たちの暮らしに直結します。菅総理のいうようにいいことなのかどうか、見極めることが大事です。
日本を加えた10か国の中で、日米2国のGDPの合計が90・8%を占めます。参加を表明している国は、小さな国が多いので、10か国のTPPは、事実上日本とアメリカの自由貿易協定になるということです。しかもTPPという協定は、すべての分野で関税をゼロにする、例外規定は設けないというものです。
アメリカとの間で、すべての分野が関税ゼロになったらどういうことが起こるのか──ここに問題の焦点があります。

農業は壊滅的─自給率は14%に

TPP問題で真っ先に反応したのは農業関係であり、農水省の試算は衝撃的でした。試算は、TPP参加により農産物の生産額が4・1兆円減少し、食料自給率が14%に低下、雇用が340万人減少するとし、結論として次のように指摘しています。
――「大規模化」をしても米国は日本の平均耕地面積の100倍、豪州は1500倍でとても競争できない。
――安い輸入農産物との差額を補てんしたとしても食料自給率は下がる。しかも差額補てんに必要な額は2兆5千億円にもなり、国民の理解を得られない。
この警告を正面から受けとめる必要があります。

町議会は全員一致でTPP参加反対

町議会でTPP問題が審議されたのは昨年の12月議会です。議会には、和歌山県農業団体連合会(代表 井上雅夫氏)からTPPへの参加に反対する意見書を提出していただきたいという団体請願が提出され、紀北川上農協からも同じ趣旨の要望書が届いていました。
農業団体連合会も和歌山県内の農協もTPP問題で意見は完全に一致しています。委員会で議論された中心は、やはり農水省などの試算でした。
「これ以上農業を破壊し、自給率を低下させることは許せない。農業を基幹産業としている地域は壊滅的な打撃を受ける」──これが委員会の合意となりました。
請願を付託された総務産業常任委員会は、全員一致で請願を採択し、紀北川上農協が添付していた意見書案を基本に意見書を作成しました。本会議では、全員一致で請願が採択され意見書が可決されました。上記の囲みが、可決した意見書です。
政府は、6月中に参加するかどうかの態度を決定しようとしています。民主党は、この問題では、完全に国民の利益を裏切ってしまいました。日本の農業を守れるかどうか、世論と運動を起こすことが重要です。

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